2016 年 49 巻 2 号 p. 108-114
症例は56歳の男性で,総胆管結石を伴った総胆管瘤と診断された.ERCPと内視鏡的乳頭切開術(endoscopic sphinc terotomy;以下,ESTと略記)による採石と開窓を試みるも総胆管瘤から胆管へのカニュレーションが困難であった.開腹下に総胆管切石と,術中ERCPによるランデブー法を用いたESTにより瘤の開窓を行った.総胆管瘤の治療は,本症例のように内視鏡的治療が困難な症例では,開腹下に術中内視鏡を併用したESTを行うことも有用であると考えられた.