千鳥ヶ淵を走っていると桜が華麗なる美しさである．東京都心では桜が満開となった．平年より10日，昨年より9日も早いそうである．桜の開花も観測史上3番目の早さであった．年々，桜の開花も早くなっていくようである．桜の開花の定義は東京都心では靖国神社境内にある標本木（ソメイヨシノ）で5輪以上咲いていると開花という．ちなみに満開とは花芽が8割程度開花した状態のことをいい，本当の満開ではないらしい．
桜の開花には休眠打破が必要である．桜は夏に翌春咲く花芽を形成する．いったん休眠に入った花芽が，冬季に一定期間低温にさらされ休眠から覚めることを休眠打破という．冬に一定期間寒さにさらされることが重要で，春を迎え気温が上昇するに伴って，花芽は成長「生成」する．したがって暖冬だとむしろ開花が遅れたり，満開とならないこともあるらしい．
さていよいよ新年度，新学期がスタートした．4月から新しい勤務地となり胸を躍らせている会員諸兄もおられると思う．小生が小学生のころは，入学式というと満開となった桜の木の下で，母親と写真を撮ったことを思い出す．一方で「森友学園問題」はいまだに国会をにぎわしている．証人喚問でも結局は「訴追の恐れ」で証言拒否の連発で，核心部分はいまだに闇の中だ．「記憶にございません」を連発した証人喚問を彷彿させた．
今月号には9編の症例報告が掲載されています．どれも何回かの編集会議を経て採用されたもので，読みやすい論文となっています．ご一読いただければ幸いです．
（長谷川 博俊）
2018年4月1日
