日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
胃癌同時性肝転移に対して化学療法後に腹腔鏡下切除を施行した1例
遠矢 圭介竹野 淳益澤 徹永野 輝明村上 剛平桂 宜輝大村 仁昭賀川 義規武田 裕村田 幸平
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2019 年 52 巻 5 号 p. 257-262

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抄録

症例は75歳の男性で,食思不振を主訴に近医受診され,上部消化管内視鏡検検査にて胃体中部大彎後壁に進行胃癌を認め当院に紹介となった.造影CTにて肝S2に単発の転移(20 mm)を認め,cT4aN0M1HEP cStage IVの診断となった.生検結果にてHER2陽性であったため,カペシタビン+シスプラチン+トラスツズマブ療法を計2コース施行した.2コース施行後転移巣の縮小を認め,PRの効果判定となった.審査腹腔鏡検査にて腹膜播種がないことを確認した後,腹腔鏡下幽門側胃切除および腹腔鏡下肝S2部分切除を施行した.術後経過良好で,術後9日目に退院となった.病理結果はypT4aN0M1HEP ypStage IV,治療効果はGrade 1aであった.術後補助化学療法としてS-1を退院後約1か月より開始し,術後6か月無再発生存中である.

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