日本消化器外科学会雑誌
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原著
潰瘍性大腸炎に対する結腸亜全摘術後に残存大腸の大量出血を生じた症例の臨床経過
阿部 有佳小金井 一隆黒木 博介二木 了辰巳 健志杉田 昭
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2020 年 53 巻 10 号 p. 759-767

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抄録

目的:分割手術の初回手術として結腸亜全摘術を施行した重症の潰瘍性大腸炎症例では,術後早期合併症として残存大腸から大量出血を生じることがある.結腸亜全摘術後残存大腸からの大量出血例の経過と臨床像を明らかにし,治療戦略を検討した.方法:当院で結腸亜全摘術後に残存大腸から大量出血を生じた6例を対象として臨床経過を検討した.結果:残存大腸出血に対する術式は,残存大腸切除が5例,全身麻酔下経肛門的縫合止血術が1例であり,残存大腸切除を施行した5例中,Hartmann手術を3例,回腸囊肛門管吻合を2例に行った.現在,二期目手術予定の1例を除いた5例で人工肛門の閉鎖と自然肛門の温存が可能であった.結語:重症潰瘍性大腸炎に対する結腸亜全摘術後は,残存大腸からの出血を念頭に置き,大量出血を生じた場合は,局所止血が困難であることから原則として出血源を含めた残存大腸切除を時機の遅れなく行うことが重要である.

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