2020 年 53 巻 10 号 p. 808-816
症例は87歳の男性で,頻尿を主訴に近医受診しCTにて回盲部腫瘤を指摘された.下部消化管内視鏡検査では粘膜面に異常を認めなかった.回盲部腫瘤に対して外科的手術をすすめられたが,自覚症状がなく,高齢であったため,手術を希望されなかった.しかし,腹部腫瘤は,発見時最大径6.1 cm,10か月後に8.6 cm,17か月後に17 cmと経時的に急速に増大してきた.本人の腹部膨満感も出現し手術を希望され,腹部腫瘤指摘後18か月目に当院へ紹介となった.開腹結腸右半切除術,D3郭清を施行した.病理組織学的検査結果は,25×18×13 cm大の管外発育型上行結腸平滑筋肉腫であった.Gastrointestinal stromal tumor(GIST)疾患概念が確立した1998年以降の,結腸平滑筋肉腫はまれで本邦報告例は自験例含め18例であった.管外発育型は管内発育型より頻度が少なかった.自験例は最も腫瘍径が大きく,手術までの18か月間,経時的に変化をおえた点もまれであり報告する.