日本消化器外科学会雑誌
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特別報告
簡潔で分かりやすい手術記録の工夫―膵体尾部切除の手術記録を通じて―
岡野 圭一鈴木 康之
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2020 年 53 巻 4 号 p. 390-397

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抄録

手術記録は外科医療において診療情報として必須であり,かつ外科医にとってイラストを含めた良い手術記録を書くことは,術者本人の手術を向上するためにも極めて重要である.さらに,わかりやすい手術記録を作成することにより,その患者に関わる全ての医療者の手術に対する理解が深まり,良質な医療につながる.手術記録を作成するときの工夫としては,手術内容は簡潔になるべく短い文章で記載する.用いた手術器械,糸などはできるかぎり具体的に記載しておく.時系列的な手技記載だけでなく,患者特有の所見,遭遇した予定外の局面とその対応,手術の工夫点なども記録する.手術イラストの役割は,一見でその手術を容易に理解できることであり,効果的に用いる必要がある.また,術中写真は実際の術野の状況を正確に知るためには有用である.これらを有効に組み合わせて,読む人に伝わるわかりやすい手術記録を書くことが重要である.

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