2020 年 53 巻 5 号 p. 473-479
手術記録(以下,オペレコと略記)は,術者が行った手術の内容を整理し,理解を深めることができ,難渋点や反省点を再認識することで次の手術への工夫,手術手技の向上へつながるものと考えられる.また,オペレコは他者のための教育的意義を持っている.教育的なオペレコとは,他者が読んで容易に手術内容を理解できるものである.筆者の考えるよりよいオペレコとは「分かりやすい」オペレコである.「分かりやすい」オペレコとするために,術者の意図の要点を絞り,イラストにすることが大切である.今回呈示した腹腔鏡下肝外側区域切除のオペレコは,手術自体は肝胆膵高度技能手術でもないが,アランチウス管や肝門板の解剖を理解するのは非常に難しく,それを1枚のイラストで表現するのは困難である.そこで肝門からのviewのイラストを多くし,術者の意図が伝わる工夫をしている.本論文では「分かりやすい」手術イラストの有用性について考察する.