日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
症例報告
ニボルマブにて結核と免疫性血小板減少性紫斑病を来した切除不能進行食道癌の1例
泉谷 祐甫牛丸 裕貴西川 和宏川端 良平大原 信福三宅 祐一朗前田 栄中平 伸中田 健宮本 敦史安原 裕美子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス HTML

2022 年 55 巻 8 号 p. 483-490

詳細
抄録

免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor;以下,ICIと略記)は免疫機序を介すると考えられている免疫関連有害事象(immune-related adverse events;以下,irAEと略記)の発生が問題となっている.今回,切除不能進行食道癌に対して3rd lineでニボルマブを使用したところ,4コース施行後にICI関連結核を発症した.6か月の休薬期間を経て結核治療と並行しニボルマブを再開すると,再投与3週間後にirAEである肝障害・腎障害に加えて,免疫性血小板減少性紫斑病を発症した.入院でのステロイド治療が開始となり,治療開始から2週間で血小板は正常まで回復し,肝障害や腎障害も改善した.治療開始後1か月で軽快退院となった.現在,ニボルマブの最終投与から約3か月経過しているが,腫瘍の進行を認めていない.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top