日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
症例報告
診断的肝切除および外科的骨生検で根治治療に至った胸骨転移を有する肝類上皮血管内皮腫の1例
庭野 公聖成田 匡大出川 佳奈子伏谷 仁志小嶋 大也末永 尚浩中西 宏貴山岡 竜也中村 公治郎畑 啓昭
著者情報
キーワード: 肝腫瘤, 遠隔転移, FDG-PET/CT
ジャーナル オープンアクセス HTML

2024 年 57 巻 12 号 p. 614-624

詳細
抄録

肝類上皮血管内皮腫(hepatic epithelioid hemangioendothelioma;以下,HEHEと略記)はまれな疾患であり,36.6%に同時性遠隔転移を来すとされる.症例は80歳の女性で,肝外側区域に径80 mm大の腫瘤を偶発的に発見された.FDG-PET/CTで肝腫瘤と胸骨左縁にFDG集積を認め,胸骨生検で類上皮血管内皮腫(epithelioid hemangioendothelioma;EHE)の診断,肝腫瘤は切除可能肝内胆管癌の診断で腹腔鏡下肝左葉切除を施行した.病理組織学的検査では,肝腫瘤はHEHEであり,術中にサンプリングした肝十二指腸靭帯左側リンパ節に転移を認め,これらは胸骨の病理所見と一致した.以上より,最終診断は胸骨およびリンパ節転移を伴うHEHEであった.術後8病日に軽快退院し,術後10か月現在,転移再発はない.HEHEの遠隔転移は比較的多く見られ,標的臓器は多岐にわたることから,術前のFDG-PET/CTの有用性が示唆された症例であった.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top