日本消化器外科学会雑誌
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食道癌および噴門癌術後の消化吸収と形成胃管の機能について
とくにvagotomyの影響
猪口 嘉三平山 長一朗青山 雄三
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1977 年 10 巻 4 号 p. 393-403

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抄録
食道および噴門癌術後の消化吸収に関与する諸因子や形成胃管の機能について, 迷切との関連を中心に検討した.膵の外分泌機能は酵素系を除けばそれほど障害を受けていなかった.術後の消化吸収障害は脂質において著しく, 蛋白質がこれにつぎ, 糖質では障害をみない.再建経路別消化吸収の検討では, B-I法がB-II法型に比べ優れており, B-II法型における消化吸収不全の重要な因子はPancreatico-cibalasynchronyと考えられる.食道再建に用いられた形成胃管の外分泌能はほとんど喪失している.大弯側寄りに細長く形成された胃管の内圧勾圧は, 胸腔内および後縦隔経路に再建された場合, 食道の生理的条件にほぼ近かった.
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