日本消化器外科学会雑誌
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消化管縫合不全に対する高カロリー輸液の効果
藤田 秀春正司 政夫能登 啓文上田 博宮崎 仁見八尾 直志磯部 芳明米村 豊宮崎 逸夫
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1978 年 11 巻 10 号 p. 855-861

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抄録
縫合不全に対する高カロリー輸液 (IVH) の治療効果を検討した.縫合不全症例147例を, IVH (+) 69例, IVH (-) 78例の2群に分け, それぞれを重症度別にI度からIV度に分類した.全体の治癒率ではIVH (+) 58.0%, IVH (-) 44.9%で大差はなかったが, 重症度に応じた治癒率では, I度100%: 100%, II度100%: 91.3%, III度52.6%: 24.3%, IV度38.9%: 0%で重症例において明らかにIVHの効果がみられた.II度とIII度について, 自然治癒までの期間を比較したところ, II度14日: 40日, III度22日62日とIVH (+) で治療期間の著明な短縮を認めた.敗血症の発生, インシュリンの使用頻度では重症, 軽症間に差はなく, 縫合不全に対するIVHの効果が確認された.
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