日本消化器外科学会雑誌
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閉塞性黄疸時における凝固・線溶能に関する研究
栗栖 茜
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1979 年 12 巻 11 号 p. 853-866

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抄録
閉塞性黄疸症例36例について, その病態を凝固・線溶能および血清脂質の面から検討し, つぎの結論をえた.
1.閉塞性黄疸では, 血小板数, カルシウム再加時間, プロトンビン時間, 部分トロンボプラスチン時間は大体正常範囲にあるが, 血漿フィブリノーゲン量, P-SFMCは高値を示す.一方, plasminogenactivator activity levelは低値を示す.すなわち, 凝固亢進・線溶抑制状態にある.2.凝固亢進・線溶抑制状態, ことに線溶抑制は閉塞性黄疸に伴う高値血症と密接な関連がある.3.PTCDによる黄疸の軽減に伴い, 血漿フィブリノーゲン量, 血清総コレステロール値の低下及びユーグロブリン溶解面積の増大傾向を認める.
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