日本消化器外科学会雑誌
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術式別にみた逆流性食道炎の発生頻度と病態に関する臨床的研究
大津 幸世
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1981 年 14 巻 11 号 p. 1525-1533

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抄録
胃全摘術, 近側胃切除術, Fundic patch法を施行した84例を対象に, 各術式別の逆流性食道炎の発生頻度と病態を検討した.その発生頻度は内視鏡上, 胃全摘・B-II吻合例が75%, 同じくRoux-en-Y吻合例が33%, 近側胃切除・食道胃端側吻合例が60%, 同じく食道胃弁形成吻合例が0%, Fundic patch例が0%であった.胃全摘術の場合は諸家の成績と同様にB-II吻合の逆流頻度が高率であり, Rox-en-Y吻合の方が逆流防止に有効である.近側胃切除術の場合は端側吻合の逆流防止効果は不十分であるが, 弁形成吻合ではほヾ満足できる成績であった.Fundic patch法は食道アカラシア症例に対して施行したが, その逆流防止効果は十分に満足できるものであった.
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