日本消化器外科学会雑誌
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術後肝障害のS-GOT推移よりみた検討
水沢 広和鈴木 彰
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1981 年 14 巻 11 号 p. 1589-1593

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抄録
術前の肝機能検査が正常であった160例のうち術後S-GOT値が50以上を示したのは48例30%であった.年齢別では有意差はなかった.手術々式では上腹部手術, とくに胃全摘術に発生率が高く, 麻酔時間では4時間以上, 術中出血量では600cc以上の場合に有意に発生率が高かった.また輸血例では非輸血例に比べて有意に発生率が高くとくに1000cc以上の輸血例で高率であった.術後S-GOT値の上昇の推移を4つの型に分けたが, I, II群はいずれも第8週病日までに正常化するもので, 全体の76.9%を占めた.また術後8週以上遷延化するものは5.1%に認められた.さらに術後S-GOT値の推移には抗癌剤の影響を否定できない症例も認められた.
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