日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
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食道に進展するBorrmann 4型胃癌の臨床的検討
とくに開腹時所見からみた切除適応について
内田 雄三調 亟治小武 康徳藤富 豊渡部 誠一郎山岡 憲夫一万田 充俊高木 敏彦石川 喜久日高 重幸猪野 睦征北里 精司大江 久圀柴田 興彦石井 俊世下山 孝俊三浦 敏夫辻 泰邦
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1981 年 14 巻 3 号 p. 451-460

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抄録

Borr.4型胃癌の切除例46例, 非切除例18例 (食道浸潤例は切除例17例, 非切除例7例) の予後と手術適応について検討した.術後成績を検討する場合, 食道浸潤例では術後1年生存が目安となる.P (+) 例ではP1-2とP3群, N (+) 例ではN1-2群とN3-4群の間に差がみられた, 他型と比較して, S2-3例の中でP (+) 例の率が高かかった.ow (+) は食道浸潤距離よりも, Borr.4型症例を経腹的に切除したもので多かった.Borr.4型胃癌のS1-2・N1-2症例では, P (-) の場合, 治癒手術を期待し得るが腹膜再発に対する対策が必要である. P1-2の場合, 姑息的切除が行われる.S3症例ではP (-) の場合にのみ合併切除の適応となり, N3-4症例ではS1-2・P0-2までの症例が姑息的切除の適応と考えられる.

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