1981 年 14 巻 3 号 p. 451-460
Borr.4型胃癌の切除例46例, 非切除例18例 (食道浸潤例は切除例17例, 非切除例7例) の予後と手術適応について検討した.術後成績を検討する場合, 食道浸潤例では術後1年生存が目安となる.P (+) 例ではP1-2とP3群, N (+) 例ではN1-2群とN3-4群の間に差がみられた, 他型と比較して, S2-3例の中でP (+) 例の率が高かかった.ow (+) は食道浸潤距離よりも, Borr.4型症例を経腹的に切除したもので多かった.Borr.4型胃癌のS1-2・N1-2症例では, P (-) の場合, 治癒手術を期待し得るが腹膜再発に対する対策が必要である. P1-2の場合, 姑息的切除が行われる.S3症例ではP (-) の場合にのみ合併切除の適応となり, N3-4症例ではS1-2・P0-2までの症例が姑息的切除の適応と考えられる.