日本消化器外科学会雑誌
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14 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 高瀬 靖広, 折居 和雄, 轟 健, 竹島 徹, 尾崎 梓, 岩崎 洋治
    1981 年 14 巻 3 号 p. 445-450
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    われわれは食道静脈瘤症例に対し, 直接食道静脈瘤内にethanolamine oleateを注入して血管内の栓塞をはかる方式の内視鏡的硬化療法を試みており, 食道静脈瘤周囲に硬化剤を注入する方式と区別して内視鏡的栓塞療法と仮称しているが, その治療効果について本治療法を行った出血既往例 (待期的治療例) 28例, 非出血例 (予防的治療例) 25例計53例について検討した.その結果, 出血既往例では治療後2年以上4例, 1~2年5例であるが, 治療後食道出血をみた例はない.しかし3例が1年を経過して再治療されている.非出血例についても出血既往例とほぼ同様の結果であった.そこで本治療法による治療効果は1年程度は期待しうると思われた.
  • とくに開腹時所見からみた切除適応について
    内田 雄三, 調 亟治, 小武 康徳, 藤富 豊, 渡部 誠一郎, 山岡 憲夫, 一万田 充俊, 高木 敏彦, 石川 喜久, 日高 重幸, ...
    1981 年 14 巻 3 号 p. 451-460
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Borr.4型胃癌の切除例46例, 非切除例18例 (食道浸潤例は切除例17例, 非切除例7例) の予後と手術適応について検討した.術後成績を検討する場合, 食道浸潤例では術後1年生存が目安となる.P (+) 例ではP1-2とP3群, N (+) 例ではN1-2群とN3-4群の間に差がみられた, 他型と比較して, S2-3例の中でP (+) 例の率が高かかった.ow (+) は食道浸潤距離よりも, Borr.4型症例を経腹的に切除したもので多かった.Borr.4型胃癌のS1-2・N1-2症例では, P (-) の場合, 治癒手術を期待し得るが腹膜再発に対する対策が必要である. P1-2の場合, 姑息的切除が行われる.S3症例ではP (-) の場合にのみ合併切除の適応となり, N3-4症例ではS1-2・P0-2までの症例が姑息的切除の適応と考えられる.
  • 前川 勝治郎
    1981 年 14 巻 3 号 p. 461-470
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    64例の種々の良悪性疾患により再切除を受けた残胃材料について, 初回切除胃材料と対比しつつ, 残胃粘膜全領域の胃炎性変化を病理組織学的に解析した.残胃の慢性胃炎の分類は, 佐野の慢性胃炎分類に残胃に比較的しばしば見られる嚢胞状過形成胃炎を加えた.化生性胃炎, 萎縮過形成胃炎, 疵状胃炎, 嚢胞状過形成胃炎の4つに分けて検討した.萎縮過形成胃炎において, 特に吻合部周辺の腺窩上皮の過形成胃炎は, 初回切除胃口側断端に認められず, 長期経過例の残胃吻合口周囲胃粘膜に新たに出現したものであり, その頻度は約45%であった.また術式別では, Billroth II法の方が約4倍多く認め, 5年以上経過例においては, その差はさらに明らかであった.
  • イレウスの重症度評価および手術適応における血糖値の意義
    里見 昭
    1981 年 14 巻 3 号 p. 471-482
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    イレウスの重症度評価に関し, 臨床生化学的指標を見い出すため, 絞扼性イレウス作成犬で実験を行った.その結果, 有用と思われた血糖値と白血球数につき臨床的研究も加え, 血糖値のもつ意義, とくに手術適応との関連について検討した.血糖値は生体に加わった侵襲の程度をよく反映しており, また, 白血球数は血糖値ほど鋭敏ではないが同じく手術適応の1指標になりうると考えられた.血糖値はその他, 腹膜炎でも重症ほど異常値を示し, 術前, 術後や重症度を判断するにも有効であると思われた.イレウスの場合, 白血球数12,000±2,000/mm3以上, 血糖値174±41mg/dl以上の場合は一応手術にふみきってよいと考えられた.
  • 相場 哲朗, 小山 真, 畠山 勝義, 吉川 和子, 武藤 輝一
    1981 年 14 巻 3 号 p. 483-488
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    当教室において12例にNeedle Catheter Jejunostomy (NCJ) を施行した.症例の大部分は手術侵襲の大きい食道癌, 胃癌全別例であり, NCJよりElemental Diet (ED) の投与を行った.検査成績では血清総蛋白値の有意の上昇が認められ, 血清アルブミン値, 体重も増加傾向を示した.
    特に食道癌術前症例では栄養状態の改善が良好であった.NCJは術中だけでなく術前でも硬膜外麻酔あるいは局所麻酔下に容易に施行することができ, かつ合併症も見られず成分栄養法の施行に有用な方法と考えられた.
  • 柴田 信博, 芝 英一, 野口 貞夫, 大島 進, 水嶋 肇, 相川 隆夫, 松浦 成昭, 木内 淳子
    1981 年 14 巻 3 号 p. 489-494
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1975年から1979年までの4年間に緊急開腹手術を必要とした80例について, retrospectiveに検討した.80例中78.8%の症例が, 問診, 理学的所見, 腹部単純X線検査および白血球数によって, 開腹適応と判断された.入院死亡は12例 (15.0%) で, 高齢者や, 原疾患が悪性腫瘍の症例であり, イレウス併発群に多くみられた.しかし, 高齢者でも, 生活度指数I度の症例の入院死亡は, ほとんどみられなかった.また, 下部消化管悪性腫瘍緊急手術例に対して, 治癒切除が行えなかった場合の入院死亡率は66.7%で, 治癒切除を行った場合の14.3%に比し, 高率であった.生活度指数I度の症例であれば, 高齢者や緊急手術の場合であっても, 原疾患に対する積極的な外科的治療が望ましい.
  • 富田 濤児, 大山 廉平, 丸谷 巖, 高橋 任夫, 藤田 博正, 島津 弘
    1981 年 14 巻 3 号 p. 495-500
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 小泉 健二, 八杉 八郎, 松本 由郎, 小澤 和恵, 戸部 隆吉, 中嶋 安彬, 小林 保雄, 藤野 正興, 鈴木 考, 陣上 久, 石上 ...
    1981 年 14 巻 3 号 p. 501-504
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 直樹, 玉置 明, 中西 昌美, 圓谷 敏彦, 北野 明宣, 櫛田 隆久, 葛西 洋一, 森田 穣
    1981 年 14 巻 3 号 p. 505-508
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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