抄録
肝門部閉塞性黄疸17例を, PTC像より次下の3型に分類した.
I型: 左右の肝管に充分な交通のあるもの.
II型: 左右の肝管に充分な交通のないもの.
III型: 右肝管前枝と後枝に充分な交通のないもの.
I型の5例に対しては左肝管へのPTCD, II型の6例中2例に対しては左右肝管へのPTCD, III型の6例中4例には左肝管, 右肝管前枝および後枝へのPTCDを行った.II型およびIII型の6例は左または右肝管の1箇所のみにPTCDを行った.これらを比較検討したところ, 型に見合うPTCDを施行した11例には胆管炎がみられず, 型に見合わないPTCDを施行した6例に胆管炎を生じた.このように各型に合わしたPTCDを, われわれはselective PTCDと呼んでいる.