日本消化器外科学会雑誌
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迷切後の母体の高ガストリン血症が胎仔の胃発育におよぼす影響について
中根 恭司三宅 彰友田 和彦高田 秀穂土井 康生日置 紘士郎山本 政勝藤井 節郎
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1981 年 14 巻 4 号 p. 524-531

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抄録
迷切後の母体の高ガストリン血症が, 胎仔の胃発育に対してどのような影響をおよぼすか, さらに, ガストリンの胎盤通過性についても検討を加えた. 胃重量, 胃重量体重比および胃組織内DNA, RNA content, d TMP kinase活性では, control群に較べて迷切群の新生仔に増加傾向を認めた. しかし, 組織学的には著明な差はみられなかった. 胎仔血清ガストリン値に関しては, 分娩4日前では両群とも母体より明らかに低値を示したが, 一部胎盤を通過しているものと考えられ, 迷切群の胎仔で高値を示した. 一方, 分娩1日前および直後では両群とも通過していないものと思われた. また母体の高ガストリン血症は, 胎仔のG-cellの発育に抑制的に働いている可能性も示唆された.
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