日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
切除不能大腸癌症例の予後に関する臨床的検討
藤本 茂橘川 征夫石神 博昭雨宮 邦彦大山 欣昭呉 正信遠藤 文夫奥井 勝二
著者情報
キーワード: 切除不能大腸癌
ジャーナル フリー

1982 年 15 巻 5 号 p. 819-825

詳細
抄録
切除不能大腸癌41例の手術所見, 制癌治療と予後について検討した.41例の50%生存期間は9.3ヵ月であり, 41例中制癌治療非施行20例の生存期間は8.1±5.4月である.また, 制癌剤投与14例のそれは16.5±15.5月, 術後照射の7例は11.3±8.2月の生存期間である.手術所見中生存期間との相関はH因子のみに認められ, それ以外のP, S, N因子には相関を認めなかった.長期生存症例の多くはH0, P0~1, S3であり, 術後の生存期間の長短による分類では, 15月以上生存の場合に制癌治療を受けた症例が有意に長期生存した.術前・術後の検査成績中AIPが生存期間と相関を有した.
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top