日本消化器外科学会雑誌
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大腸癌における血清CEAの臨床的意義
常見 修平小島 治栗本 貴志北川 直樹山根 哲郎春日 正己大内 孝雄咲田 雅一谷奥 卓郎西岡 文三藤田 佳宏間島 進山本 實原田 稔
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キーワード: 血清CEA値, 大腸癌, 組織CEA
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1982 年 15 巻 5 号 p. 831-836

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抄録
大腸癌58例 (結腸癌35例・直腸癌23例) について血清CEA値を検討した.
術前血清CEA陽性 (2.5ng/m1以上) は57%に認められ, 異常高値 (5.0ng/ml以上) は31%であった.癌腫の占居部位が肛門側に近づくにつれて陽性率は上昇する傾向にあった.異常高値を示す症例はDukes B以上の進行癌である事が示唆された.手術との関係で, 根治手術例で姑息手術例に比べてCEA陽性率が低い傾向があるも, 血清CEA値のみで根治手術の可否を論ずるには危険性が伴なった.術後1ヵ月目の血清CEA値は根治手術の良き指標となり得た.以上, 大腸癌の血清CEA値の臨床的意義を明らかにし, 若干の文献的考察を加えて報告する.
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