抄録
免疫療法において予後の判定に有用な指標を定めることを本研究の目的とした.溶連菌製剤OK-432の免疫療法を行った進行消化器癌51例を対象とし, 測定した末梢血白血球数, 末梢血リンパ球数とT細胞比, PPD, PHA, Su-PS皮内反応, 溶連菌菌体凝集抗体価の値と生存期間を統計学的に検討した.1) T細胞比を除く他の免疫学的パラメーターにおいて, 正常値を示した症例は異常値を示した症例に比較し有意に長い生存期間を得た.2) 末梢血白血球数, T細胞比を除く他の免疫学的パラメーターは生存期間と有意の相関を示した.以上より, T細胞比を除く他の免疫学的パラメーターは予後推定上信頼できる指標と考えられる.