日本消化器外科学会雑誌
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胃癌の治癒切除と非治癒切除の判定基準と予後の検討
榊原 譲三重野 寛喜箕浦 宏彦陳 春謀高橋 俊毅比企 能樹阿曽 弘一
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1984 年 17 巻 3 号 p. 564-570

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抄録
胃癌切除例765例について, 胃癌取扱い規約による治癒切除と非治癒切除別の予後を検討し, とくに絶対治癒切除後再発死亡例と絶対非治癒切除後長期生存例を中心にその要因を分析した.
絶対治癒切除後, 再発死亡を来しやすい因子は, se, n (+) であった. しかし, ps (-), n (-) でも分化型の癌に肝転移再発がみられることは注意が必要である.
一方, 絶対非治癒切除後5年以上生存例12例の非治癒と判定された理由は, 切除断端癌陽性を除くと, リンパ節転移と限局型胃癌の他臓器浸潤であった. したがって, これらの場合は術中非治癒切除と予想されても, できる限りの拡大切除をする意義がある.
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