日本消化器外科学会雑誌
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リンパ節転移を有する胃粘膜内癌の検討
是永 大輔亀川 隆久岡村 健神代 龍之介井口 潔古沢 元之助恵良 昭一野田 尚一松坂 俊光
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1984 年 17 巻 8 号 p. 1501-1506

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抄録
早期胃癌1,010例のうち, リンパ節転移を有する10例のm癌について, 臨床病理学および核desoxyribonucleic acid (DNA) 量分布パターンより検討した. 40~60歳台の女性が多く, 胃中部で長径2.0cm以上の陥凹型未分化型腺癌が多かったが, 隆起型も2例認められた. n1 (+) 7例, n2 (+) 2例, n3 (+) 1例であり, 開放性潰瘍合併例4例, 瘢痕合併例1例, 非合併例5例であった. また, n2, n3 (+) の3例はUI-IVの潰瘍をともなっていた. 核DNA量分布パターンはいずれも分散幅の狭いII型であった. 一方, R2, R3の郭清が施行された6例は治癒切除例であるが, R0, R1の4例では半数が非治癒切除例であった. 以上より, たとえm癌でも, R2以上の郭清を行う外科治療が必要と考えられた.
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