日本消化器外科学会雑誌
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FT-207術前直腸内投与による組織内移行に関する臨床研究
田中 康博宮田 正彦中尾 量保坂本 嗣郎橋本 創伊豆蔵 正明坂口 寛正浜路 政靖川島 康生
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1985 年 18 巻 1 号 p. 105-112

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抄録

胃癌18例および大腸癌16例の手術例計34例を対象とした.術前にFT-207の経直腸投与を行い血中ならびに摘出臓器内のFT-207および5-FU濃度を測定した.腫瘍内5-FU濃度は同一症例の腫瘍発生母地正常組織内濃度および腫瘍摘出時点での末梢静脈血中濃度より有意に高値であった.5-FU濃度は腫瘍内および腫瘍発生母地正常組織内ともに大腸癌症例が胃癌症例より有意に高値であった.FT-207投与日数と腫瘍内5-FU濃度との間には同一臓器の同一組織型の症例においては有意の相関が認められた.リンパ節内5-FU濃度は腫瘍内濃度との間に有意差が認められない程度に高値であった.

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