日本消化器外科学会雑誌
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胃癌の骨および骨髄転移に関する臨床的検討
山村 義孝紀藤 毅山田 栄吉
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1985 年 18 巻 11 号 p. 2288-2293

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抄録
胃癌治癒切除2,235例中26例 (1.2%) に骨転移再発を認め, そのうち6例は骨髄転移であった.(1) 若年者,(2) 肉眼型は3型,(3) 組織型はporとくに硬性型,(4) 壁深達度はseとpm,(5) リンパ節転移が高度,(6) 占居部位がMの胃癌が骨転移をおこしやすいhigh risk groupに属する.胃癌手術後骨転移発症までの期間は一定しないが, 発症後の経過は急激で80%以上が半年以内に死亡した.初発症状は全例に腰背部痛があり, 骨転移部位としては脊椎が最も多く, 次いで肋骨, 骨盤の順であった.骨転移の診断には骨シンチが有効であり, alkali phosphataseの高い症例が多かった, また骨転移による疼痛に対しては, 転移局所に対する放射線療法が有効であった.
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