日本消化器外科学会雑誌
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固有筋層まで達した胃癌 (pm胃癌) の臨床・病理学的特徴と予後
とくに早期胃癌との比較において
羽生 丕砂川 正勝竹下 公矢中島 昭越智 邦明丸山 道生斎藤 直也佐藤 康遠藤 光夫
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1985 年 18 巻 11 号 p. 2279-2287

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抄録
早期胃癌222例と比較しつつ, pm胃癌69例の臨床・病理学的特徴を調べ, その予後を左右する因子につき検討した.
1) pm胃癌のリンパ節転移率は早期胃癌に比べ高度だが, n3 (+) 例の頻度は4.4%に過ぎない.A領域のBorrmann型癌を除けば, pm癌の郭清はR2でほぼ十分と思われる.
2) pm癌再発死亡8例中6例が血行性転移によるものであった.v (+) 例の5生率は59%で, v (-) 例の97%に比べ有意に低かった.
3) pm癌のうち肉眼型1, 2型のもの, 分化型癌, INFβ, 間質量が中間型か髄様型のものなどは静脈侵襲の率が高く, 再発の危険が高いグループと考えられる.
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