抄録
早期胃癌222例と比較しつつ, pm胃癌69例の臨床・病理学的特徴を調べ, その予後を左右する因子につき検討した.
1) pm胃癌のリンパ節転移率は早期胃癌に比べ高度だが, n3 (+) 例の頻度は4.4%に過ぎない.A領域のBorrmann型癌を除けば, pm癌の郭清はR2でほぼ十分と思われる.
2) pm癌再発死亡8例中6例が血行性転移によるものであった.v (+) 例の5生率は59%で, v (-) 例の97%に比べ有意に低かった.
3) pm癌のうち肉眼型1, 2型のもの, 分化型癌, INFβ, 間質量が中間型か髄様型のものなどは静脈侵襲の率が高く, 再発の危険が高いグループと考えられる.