日本消化器外科学会雑誌
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大腸癌の血清CEA値と予後に関する臨床病理学的検討
豊野 充鈴木 晃塚本 長
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1985 年 18 巻 3 号 p. 697-701

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抄録
術前の血清CEA値を測定しえた大腸癌132例を対象に手術所見, 予後および再発の問題について臨床病理学的に検討した.血清CEA値および陽性率は, 根治度, 手術前後, 深達度, リンパ節転移の程度, 組織学的進行程度 (stage) に有意の相関を示した.特に肝転移例で著明な高値を認めた.血清CEA値が高い程累積5年生存率は不良であった.肝転移例に対して制癌剤を動注して血清値の低下をみた.また術後6年目に発見された血清CEA値の著しく高い肝転移例に, 肝右葉切除術を行い根治せしめた.血清CEA値測定は大腸癌の進行程度や遠隔転移, 根治性, 予後および術後の再発などを推定する上で有効であった.
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