日本消化器外科学会雑誌
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胆嚢癌の占居部位および進展様式からみた外科治療
川浦 幸光森 善裕中島 久幸服部 和伸九沢 豊魚津 幸蔵山田 哲司岩 喬
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1986 年 19 巻 12 号 p. 2374-2377

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抄録
過去10年間に経験した切除不能例を含む胆嚢癌35例の占居部位を次のごとく分けた.底部を中心とする (Gf) 群, 体部 (Gb) 群, 頸部 (Gn) 群, 全体群, 腹腔側群, 肝床群とした.予後因子との関係は, 1) Gn群では門脈浸潤率 (7/11), (12) 番リンパ節陽性率 (9/11) が高かった.2) 肝転移は全体群, Gf群で高率に認められた.3) 十二指腸浸潤 (D因子) は腹腔側群, 全体群で高率であった.結果を基に術式として以下を考慮している.1) Gf群, Gb群の肝床群では肝床切除, 腹腔側群では膵頭後部リンパ節郭清を考慮, 2) 肝床群で肝内直接浸潤 (Hinf) 例のうちHinf1-2では肝床切除を, Hinf1-3+胆管浸潤例では肝切除を併施.腹腔側群でD因子 (+) 例で膵十二指腸切除を併施.3) Gn群では門脈合併切除を考慮すべきである.
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