日本胸部疾患学会雑誌
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T-キニンによる気道血管透過性の亢進とアンギオテンシン変換酵素による制御
武田 祐子玉置 淳山脇 功千代谷 厚金野 公郎
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1996 年 34 巻 6 号 p. 627-631

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抄録

ラット気道における血管透過性に対するT-キニンの効果と内因性ペプチダーゼによる制御の有無を加 in vivo で検討した. 血管透過性は血管外に漏出した Evans blue の吸光度を測定することにより評価した. T-キニンの静脈内投与により, 気管および主気管支の血管透過性は用量依存的に増加した. 以上の効果はB1受容体拮抗薬の des Arg9-Leu8-ブラジキニンによる影響を受けなかったが, B2受容体拮抗薬であるHoe 140によりほぼ完全に抑制された. また, アンギオテンシン変換酵素阻害薬であるカプトプリルはT-キニンによる血管透過性亢進作用を増強させたが, neutral endopeptidase 阻害薬であるフォスフォラミドンは無効であった. 以上の成績よりT-キニンは気道の微小循環における血管透過性をB2受容体を介して増加させ, その作用はアンギオテンシン変換酵素により制御されている可能性が示唆された.

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