日本消化器外科学会雑誌
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Fructose門脈内投与による肝エネルギーレベルの操作
中谷 寿男小澤 和恵佐藤 俊英
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1987 年 20 巻 11 号 p. 2536-2543

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抄録
ハムスターの門脈内にfructose溶液を持続投与し, 肝臓のenergy charge (EC) を操作することを試みた. 10, 20, 40%fructose溶液を0.25ml/100g/15分の速度で門脈内投与すれば肝臓のECは急速に低下し, 15分間の実験中そのレベルを維持したが, 10, 20%溶液の静脈内投与では低下しなかった. このことは門脈内にfructose溶液を投与することにより, 他の臓器に影響を及ぼすことなく肝臓のECを操作しうることを示している. このモデルを使って肝ECを低下させれば, アンモニアの解毒が遅れることが示された. このモデルは, ある物質を肝臓が代謝する能力と, 肝臓のエネルギーレベルとの関係をin vivoにおいて検討するのに有用である.
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