抄録
ハムスターの門脈内にfructose溶液を持続投与し, 肝臓のenergy charge (EC) を操作することを試みた. 10, 20, 40%fructose溶液を0.25ml/100g/15分の速度で門脈内投与すれば肝臓のECは急速に低下し, 15分間の実験中そのレベルを維持したが, 10, 20%溶液の静脈内投与では低下しなかった. このことは門脈内にfructose溶液を投与することにより, 他の臓器に影響を及ぼすことなく肝臓のECを操作しうることを示している. このモデルを使って肝ECを低下させれば, アンモニアの解毒が遅れることが示された. このモデルは, ある物質を肝臓が代謝する能力と, 肝臓のエネルギーレベルとの関係をin vivoにおいて検討するのに有用である.