抄録
当科で経験した胆管細胞癌 (末梢型) 12例の診断および進展様式について検討した. 画像上, CTでは腫瘤は全例不整なlow densityを示した. 血管造影では全例hypovascularで, 動脈のencasementおよび門脈の浸潤性変化をみとめた. balloon ERCで全例に, 胆管浸潤所見をみとめた. 進行度は全例stage IVで高度であり, stage決定因子はN (66.7%), Vp (41.7%) が重要であった. 組織学的には全例INFβ以上で浸潤傾向が強く, ly2以上を9例, 神経周囲侵襲を5例にみとめた. これらのことから切除はリンパ節の広範囲郭清, 他臓器・門脈合併切除を伴うen blocな拡大肝切除が必要と考えられた.