日本消化器外科学会雑誌
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大腸癌のリンパ節転移に関する検討
Clearing法および触診法を用いて
木村 修水沢 清昭菅沢 章川角 博規竹林 正孝西土井 英昭貝原 信明古賀 成昌
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1987 年 20 巻 4 号 p. 865-870

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抄録
大腸癌のリンパ節郭清, 切除範囲を検討するため, 進行大腸癌54例に対しクリアリング法および触診法を用いてリンパ節転移図を作製し, リンパ節転移様式を検討した.
結腸癌36例においては, 腸管軸方向への転移は癌腫辺縁より4cm以内の癌腫近傍に限られており, 中枢方向への転移は転移陽性リンパ節の28.3%に認められ, 中枢方向への十分な郭清が必要と考えられた.また, 直腸癌18例においては, 口側腸管軸方向への転移が転移陽性リンパ節の61.3%と高率に認められたが, 肛門側への転移は認められず, 上行リンパ流に遮断がみられない場合, 肛門側切除腸管は2~3cmの狭い範囲でも十分であると考えられた.
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