日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
Child法再建による膵頭十二指腸切除術-術後の病態と社会復帰状況について
松野 正紀今村 幹雄武田 和憲宮下 英士宮川 菊雄佐藤 寿雄
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 20 巻 4 号 p. 904-908

詳細
抄録

教室で経験した膵頭十二指腸切除術151例のうち, Child法に準じた消化管再建術を施行した149例について術後の病態, 社会復帰状態について検討した.広範囲胃切除の併施により本術式後の消化性潰瘍の発生は予防できると考えられた.本術式では消化管ホルモンの宝庫が切除されることになり, 術後早期には, 各種消化管ホルモンの分泌低下, 膵内外分泌機能の低下とそれによる代謝異常が生ずるが, 残膵機能保持に細心の注意を払うことにより, Child法再建による膵頭切除術では比較的質の高い術後の社会生活が期待できるものと思われた.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top