1987 年 20 巻 4 号 p. 930-933
1981年8月から1986年7月までの5年間に経験したWhipple変法15例, Child変法27例, 今永法9例, 全胃温存法12例の計63例において膵頭十二指腸切除後の消化機能について検討した.術後3月後のPFDや75g OGTTにおいては各術式間に有意差は見られなかった.胆道・消化管のDual Scanでは, 胆汁との混和能, 腸管運動能はChild変法がもっとも不良で, 今永法と全胃温存法が優れ, 中間にWhipple法が位置していた.全胃温存法は健常人とほぼ同じ結果を示した.体重の推移, 小胃症状については全胃温存法が他術式に比べ有意的に優れていた.