日本消化器外科学会雑誌
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急性胆石膵炎における膵組織所見の検討
加藤 純爾蜂須賀 喜多男山口 晃弘磯谷 正敏石橋 宏之神田 裕松下 昌裕小田 高司原川 伊寿久世 真悟真弓 俊彦
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1987 年 20 巻 9 号 p. 2142-2146

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抄録

急性胆石膵炎で術中に膵生検を施行した43例を対象として, 膵肉眼所見および手術時期と膵組織所見との関係について検討した.
肉眼的には正常にみえる膵でも組織学的には軽症例が36%, 重症例が5%にみられた.
また, 発症から手術までの期間が2日以内の症例では, 組織学的に軽症型あるいは重症型の所見が68.4%にみられたが, 3日以降の待期手術例でも37.5%に軽症型がみられた.このことは胆石存在下に膵炎治療を行うことは組織学的には膵炎の改善を遷延させていることを示唆しており, 手術により早期に胆石を除去すべきであると考えられる.

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