日本消化器外科学会雑誌
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肝内結石症に対する胆管空腸端側吻合術後の再発および再燃例の検討
秋山 高儀永川 宅和萱原 正都神野 正博太田 哲生上野 桂一小西 一朗能登 啓文小西 孝司倉知 圓宮崎 逸夫佐々木 誠西田 良夫素谷 宏
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1987 年 20 巻 9 号 p. 2136-2141

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抄録

肝内結石症の再発因子を検討するため胆管空腸端側吻合術後の再発および再燃例を検討した.対象は胆管空腸端側吻合術の施行された肝内結石症32例である.術後退院時完全切石例26例のうち5例 (19.2%) に再発をみ, 退院時結石遺残例6例のうち3例 (50%) に再燃をみた.再発例では紡錘状あるいは嚢状高度胆管拡張を呈し, ビリルビンカルシウム石以外の結石例が60%を占めた.胆管縮小率の検討では肝内結石症全体に切石後に著明な胆管の縮小を示すものは少なかった.再燃例では3年以内に症状の発現をみたが, 胆管形態に特別な傾向はなかった.以上より, 肝内結石症の再発因子として胆管拡張と結石の種類が重要と考えられた.

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