日本消化器外科学会雑誌
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直腸癌のmagnetic resonance-computed tomography診断
井原 真都斉藤 典男更科 広実新井 竜夫布村 正夫高橋 一昭谷山 新次横山 正之井上 育夫鈴木 秀奥井 勝二古山 信明樋口 道雄守田 文範
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1987 年 20 巻 9 号 p. 2178-2185

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抄録

直腸癌術前診断におけるmagneticresonance-computed tomography (MR-CT) 検査の有用性を知るため, X線CT検査の診断能と比較検討した.対象は進行直腸癌21症例である.腫瘍描出能の比較では, X線CT85.7%の描出率に対しMR-CTは95.2%と良好な成績が得られた.他臓器浸潤診断能の比較では, X線CTにおいて偽陽性例が5例に認められたのに対し, MR-CTでは1例と少なく, X線CTによる偽陽性例の除外診断に有用であった.リンパ節転移診断能では, MR-CTはX線CTに比較し造影剤を使用せずに血管の描出が可能なこと, inversion recovery (IR) 像により小さなリンパ節の描出が可能なことなどのため, 感受性において優れていた.以上の結果より, MR-CTは直腸癌術前の補助診断法において有用な検査法と考えられた.

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