日本消化器外科学会雑誌
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食道静脈瘤硬化療法施行例に対する手術療法の検討
芦田 寛三木 誠楠原 清史田淵 正人伊藤 通男大石 泉橋本 直樹琴浦 義尚石川 羊男宇都宮 譲二
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1988 年 21 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

食道静脈瘤硬化療法施行症例に対する手術療法の問題点とその対策を教室例16症例より検討した.施行術式は遠位脾腎静脈吻合6例, 経腹的食道離断7例, Hassab法3例であり, 経腹的食道離断の1例に縫合不全を認めた.特に術中食道壁に炎症所見を認めた7例に対しての術式は, 遠位脾腎静脈吻合3例, Hassab法2例, 経腹的食道離断2例で, 経腹的食道離断の1例 (50%) に縫合不全を認めたことになる.硬化療法施行後症例の手術療法施行に際して, 特に術中食道壁に炎症所見を認める症例では, 組織離断を必要としない遠位脾腎静脈吻合が合理的と考える.同吻合が不可能な場合にはHassab法に留めるべきであろう.

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