日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
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ISSN-L : 0386-9768
術後感染予防としての抗生物質の臨床的評価
消化器外科を中心にして
品川 長夫福井 拓治荻野 憲二真下 啓二水野 章高岡 哲郎石川 周水野 勇由良 二郎
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1988 年 21 巻 1 号 p. 101-106

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抄録
術後感染症の発症率を中心に, 抗生物質の適切な投与期間および術後感染症発症要因について検討し, 以下の結果を得た.術後感染発症率は上部消化管手術で10.4%, 下部消化管手術で21.2%, 肝・胆道系手術で5.6%であった.全手術では9.9%の発症率であり, 使用した各薬剤は術後感染予防としての効果が証明された.消化管手術で抗生物質の投与期間を4日間と7日間で比較した結果, 有意の差はみられず, 4日間投与で十分な効果があげられると考えられた.悪性疾患では良性疾患に比べ有意に術後感染発症率が高く (p<0.05), また術中汚染の避けられない下部消化管手術では無菌手術と比較し術後の感染症の発症率は高かった.
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