日本消化器外科学会雑誌
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肝疾患患者における末梢血多形核白血球貪食能および血清opsonin活性
chemiluminescence法による測定とその意義
佐野 佳彦中村 達
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1988 年 21 巻 1 号 p. 38-46

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抄録
肝疾患患者39例につき, 末梢血多形核白血球 (PMN) 貪食能と肝切除術前後の血清オプソニン活性をchemiluminescence (CL) 法により測定し, 血漿フィプロネクチン (pFN), IgG, C3, CH50の変動と比較検討した.肝硬変症のPMN貪食能は正常群に比べ有意に上昇し, トロトラスト症では有意に低下した.肝切除例の術後オプソニン活性は血漿投与により有意に上昇したが, 予後不良例では著明に低下し血漿投与しても回復しなかった.術中出血量とオプソニン活性は肝硬変合併例で有意の逆相関を示した.本法によるオプソニン活性の測定は術後管理の上で有用である.各病日でのpFN, IgG, C3, CH50値とCL値との間に相関関係はなく, 他のオプソニン因子の存在が示唆された.
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