日本消化器外科学会雑誌
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肝血管腫の超音波, computed tomography, 血管造影による診断率と診断体系の検討
上坂 克彦高安 賢一村松 幸男森山 紀之松江 寛人山田 達哉長谷川 博
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1988 年 21 巻 8 号 p. 2114-2120

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抄録

超音波, CT, 血管造影が同一症例に施行された肝血管腫31例57病巣を対象に, 各画像診断法の診断率の検討を行った. 全病巣の存在, 質的診断率は, 超音波: 73.7%, 59.5%, CT: 89.5%, 88.2%, 血管造影: 89.5%, 90.2%であった. 存在診断率を腫瘍径別に見ると, 5cm以上の病巣では3診断法ともに100%の診断率であったが, 5cm以下ではCT, 血管造影がともに85.0%であるのに対し, 超音波は62.5%であった. 質的診断率を同様に見ると, CTと血管造影は腫瘍径にかかわりなく90%前後の良好な成績であったが, 超音波は5cm以上の病巣で76.5%, 5cm以下では48.0%であった. 以上の成績に基づいて, CTを中心とした肝血管腫の診断体系についての提唱を行った.

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