日本消化器外科学会雑誌
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大腸癌の卵巣転移に関する検討
藤吉 学磯本 浩晴白水 和雄山下 裕一小畠 敏生梶原 賢一郎掛川 暉夫
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1989 年 22 巻 5 号 p. 1116-1120

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抄録

大腸癌卵巣転移の臨床病理学的特徴を明らかにするとともに, 予防的卵巣摘除術の適応を明確にする目的で, 原発巣切除を受けた女性大腸癌症例309例を対象として検討を行い, 以下の結果を得た. 1. 卵巣転移を5例に認め, 全体では5/309 (1.6%), 閉経前3/61 (4.9%), 閉経後2/248 (0.8%) であった. 2. 卵巣転移は, 深達度a2, s以上でなおかつリンパ節転移n2 (+) 以上の症例に認められた. 3. 腹膜播種陽性例では, 卵巣転移は3/25 (12%) と高率であった. 以上より予防的卵巣摘除術の適応は, 1) 明らかに卵巣に異常のあるもの. 2) 腹膜播種のあるもの. 3) 明らかな漿膜浸潤や外膜浸潤があり, リンパ節転移高度なものと考えている.

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