日本消化器外科学会雑誌
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胃癌におけるc-erbB-2蛋白の発現と臨床評価
米村 豊大山 繁和二宮 致木下 一夫伏田 幸夫木村 寛伸小坂 健夫山口 明夫三輪 晃一宮崎 逸夫
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1990 年 23 巻 12 号 p. 2747-2750

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抄録

胃癌150例のパラフィン包埋ブロックを用い, c-erbB-2蛋白に対するポリクローナル抗体によりlabeled streptoavidin biotin法で蛋白の発現を検討した.c-erbB-2蛋白は胃癌細胞膜上にみられ, 陽性例は26例 (16.7%) であった.c-erbB-2蛋白陽性例は腫瘍径6cm以上・漿膜浸潤, リンパ節転移陽性例で, それ以下または陰性例に較べ有意に多くみられた.しかし, 組織型・肉眼型とc-erbB-2蛋白発現との関連はなかった.予後をみるとerbB-2蛋白陽性例の5年生存率8%, 陰性例では47%と有意に陽性例の予後は不良であった.以上よりc-erbB-2蛋白を免疫組織学的に染色することは胃癌の悪性度を検討する良いパラメータになると考えられた.

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