日本消化器外科学会雑誌
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肝細胞癌破裂例の治療と予後
井沢 邦英瀬川 徹門原 留男岩田 亨山本 正幸佐々木 誠矢次 孝松元 定次江藤 敏文元島 幸一角田 司土屋 涼一
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1990 年 23 巻 12 号 p. 2757-2763

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抄録
肝細胞癌自然破裂18例について病態, 治療法, 予後を検討した.教室で経験した肝細胞癌の7.1%を占め, このうち11例 (61%) が出血性のショック状態を呈していた.治療法は, 1期的根治的肝切除が5例で, 1例が術死の外は, 4例が1年以上生存し, そのうちの1例は7年3か月の現在生存中である.姑息的治療は6例で, 破裂部肝部分切除あるいは破裂部縫縮が3例, 肝動脈塞栓術 (以下TAE) 2例, 肝動脈枝結紮1例で, すべてが両葉多発であった.術死が2例, 最長生存期間は5か月18日であった.全身管理のみで, 破裂に対し処置が出来なかったものは7例で, 自然止血後の2か月目肝不全死が最長生存であった.検査値ではコリンエステラーゼ, 血小板数, プロトロンビンタイムで肝切除群と姑息的治療群, 無治療群の間に有意差がみられた.切除可能であるならば可及的に切除することにより長期生存が期待されえると考えられた.
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