日本消化器外科学会雑誌
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直腸癌手術症例における男性性機能
白井 芳則更科 広実斉藤 典男布村 正夫奥井 勝二
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1991 年 24 巻 3 号 p. 840-845

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抄録

69歳以下の男性直腸癌治癒切除例のうち, 骨盤内自律神経を温存しえて再発や転移を認めない症例を対象に, アンケート調査および術前, 術後の性機能検査を行い, 術後の性機能障害について検討した.手術時の平均年齢は55.9歳, アンケート調査時は平均57.7歳であった.アンケート調査結果より, 骨盤内自律神経をすべて温存した群 (全温存群) では勃起障害7.1%, 射精障害21.4%であったのに対し, 下腹神経を損傷し骨盤神経叢を温存した群 (部分温存群) では勃起障害26.3%, 射精障害100%であった.術式別では低位前方切除例および側方郭清非施行例に性機能障害が少なかった.性機能検査結果より, 勃起障害は切手法, AVSS負荷試験で確認されたが, 全温存群においても術後に精液量の減少を認めた.また陰茎の流入動脈系に異常を認めた症例はなく下垂体, 性腺機能にも大きな変動はみられなかった.

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