日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
Borrmann 4型胃癌に対する集学的治療の1つとしてのSequential Methotrexate・5FU療法
北村 正次荒井 邦佳宮下 薫
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 25 巻 1 号 p. 1-6

詳細
抄録
Borrmann 4型胃癌の手術例 (250例) に対するSequential Methotrexate・5-fluorouracil (MTX・5FU) の治療効果について検討した.手術例のうち非切除は54例 (21.6%), 切除は196例 (78.4%) であった.切除例のうち治癒切除は81例 (41.3%), 非治癒切除は115例 (58.7%) であった.治癒切除例に対するMTX.5FU療法の予後は他の治療群 (Adriamycin・5FU, Mitomycin C・5FU, フッ化ピリミジン) に比較し良好であったが有意差を認めなかった.一方, 非治癒切除群において, MTX・5FU群は他の化学療法に比較し有意に良好であった (p<0.05).また非切除例のMTX・5FU治療群は, 他の化学療法群に比較し有意に良好であった (p<0.01).これら両群の背景因子を比較したが有意差を認めなかった.Borrmann4型胃癌に対する外科的治療には限界があり, 集学的治療が必要と考えられ, MTX・5FU療法は1つの有用な治療法になると考えられた.
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
次の記事
feedback
Top