抄録
ss胃癌203例 (α39, β101, γ63) を対象とし, ssγ のstage II決定因子としての妥当性を検討した.ss胃癌全体の術後生存曲線はpm (151例) とse (551例) 胃癌の中間に位置し, 両者に対し有意差を示したが, ssα, β, γ 間には予後の差はなかった.3者の背景因子をみると, ssaではBorrmann IIIが少なく, 腫瘍径が小さい点で, SSβ, SSγ に対して有意差を示したが, 予後と関係の深い因子であるリンパ節転移, 脈管侵襲, 腹膜播種, 肝転移などの頻度は, 3者間に有意差はみられなかった.治癒切除率もssα 82% (32/39), ssβ86% (87/101), ssγ89% (56/63) と3者間に大きな差はみられなかった.以上より, 従来SSγ をa, β と区別してstage分類していたが, これらを一括してSSとし組織学的stage IIの決定因子としてもよいと考えられる.