栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
タンパク質と食用色素の結合 (VII)
アゾ系色素の結合数および結合の自由エネルギー
相沢 秀俊
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1969 年 22 巻 4 号 p. 231-234

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抄録
食用および関連アゾ色素アマランス, ニューコクシン, オレンジI, オレンジIIおよびオレンジGとウシ血漿アルブミンとの結合を最大結合数ならびに結合の自由エネルギーの面より調べ, その化学構造との関連を求めた。
アマランスおよびニューコクシンは骨骼構造ならびに1個の水酸基, 2個のスルホン基の位置は等しく, ただ1個のスルホン基の位置のみを異にする。これによってタンパク質分子当たりの結合数はかなり相違がみられ, 特に中性~塩基性域でアマランスの方が多い。また結合の自由エネルギーはニューコクシンの方が大きく, スルホン基の位置は結合にかなり影響を与える。
オレンジIおよびオレンジIIも水酸基の位置のみが異なるが, 結合の自由エネルギーは水酸基の状態によって影響を受けるようで, 特に解離が進む塩基性域でこの傾向が強い。
また, ニューコクシンとオレンジGの比較から, 中性~酸性域では, 結合の自由エネルギーは芳香環の増加の方がスルホン基の導入による減少より大きかった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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