日本消化器外科学会雑誌
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Kasabach-Merritt症候群を呈した肝血管肉腫の1症例
森田 哲史東野 健中川 英刀福田 和弘辛 栄成三嶋 秀行柳生 俊夫小林 研二小林 哲郎吉川 宣輝
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1996 年 29 巻 7 号 p. 1663-1667

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抄録
症例は61歳の女性, 検診の腹部エコ-で肝腫瘤を指摘され当科紹介となった. 腹部computed tomographyにて肝海綿状血管腫と診断したが, 9か月後に胸腹部痛が出現し画像上肝腫瘤の増大を認め入院となった. 腹部血管造影ではcotton-wool like appearanceに加え腫瘍濃染像を認め, magnetic resonance imaging T2 強調画像ではhigh intensityとlow intensityが不均ーに混在しており肝血管肉腫と診断した. 治療としてtranscatheter arterial embolization (以下TAEと略記), interleukin-2 (以下, IL-2と略記) の肝動注およびステロイドの投与を行い一時的であったが症状の改善を認めた. その後再度増悪し症状発現より約4か月で死亡した. 剖検では肝右葉の大部分が暗赤色結節状の腫瘍で占められ, 組織学的に肝血管肉腫と診断された. 肝血管肉腫の治療は肝切除が第1選択であるが切除不能例にはTAE, II-2の肝動注, ステロイドの投与を試みる価値があると思われる.
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