日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
虫垂内分泌細胞癌の1手術例
阪本 研一福地 貴彦二村 直樹下川 邦泰
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 30 巻 12 号 p. 2302-2306

詳細
抄録
われわれは虫垂切除後に再発を来した虫垂内分泌細胞癌の1例を経験したので報告する. 症例は6年前に虫垂切除術を施行され虫垂中央部に限局する虫垂カルチノイドと診断された65歳の男性で, 今回, 右下腹部痛, 悪心・嘔吐にて受診した. 虫垂カルチノイドの再発もしくは小腸腫瘍を疑い手術を施行した. 腫瘍は粘膜下層を中心に上行結腸, 盲腸, 終末回腸に浸潤し, 高度な細胞・構造異型を示し, Grimelius染色陽性であり虫垂内分泌細胞癌と診断した. また, 前回虫垂切除時の標本を再検討した結果, 内分泌細胞癌の再発例であると判断した. 虫垂カルチノイドの診断治療においては予後不良な腫瘍群の存在を念頭におくことが重要であると考えられた.
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top